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増上寺
寺に向かう人々を悠々と迎える「三解脱門」 明徳4(1393)年、浄土宗第八祖聖聡(しょうそう)上人によって開かれた増上寺は、現在の千代田区紀尾井町にある「江戸貝塚」に創建され、室町から戦国時代にかけて、東国の浄土宗の要として発展していきました。

安土桃山時代になった慶長3(1598)年、徳川家菩提寺として現在の芝の地に移され、徳川家康公の手厚い保護を受け隆盛を極めることとなります。
寺に向かう人々を悠々と迎える「三解脱門」
そのため「増上寺」には二代将軍秀忠など徳川家六人の将軍の霊廟が設けられ、境内のあちこちに葵の紋が見られます。

明治に入って二度の大火、そして昭和の東京大空襲と災厄に見舞われますが、昭和46(1971)年から4年の歳月をかけ、現在の壮麗な大殿を建立し、復興を果たしました。

現在は、焼失をまぬがれた三解脱門や黒門など古くからの建造物をはじめ、鐘楼堂、安国殿など数々の建物が、約1万6千坪の広大な敷地の中に並んでいます。
※上記写真をクリックすると大きな写真が見れます。
◆三解脱門〜大殿◆
入り口の「三解脱門」が造られたのは元和8(1622)年、都内最古の建築物であるだけでなく、東日本最大級の大きさを誇っています。
入母屋造りの建築様式で朱漆塗りのこの門は、増上寺が江戸の初期に造営された当時の面影を残す唯一の建造物として、国の重要文化財にも指定されています。
「三解脱」とは、三つの煩悩「むさぼり」「怒り」「おろかさ」からの解脱を表しています。

門から「大殿」に向かう道のりは、私たちが住む世界から極楽浄土に至る世界を表しています。「大門」から「三解脱門」への距離は約108間(およそ200m弱)。ここまでで108あるとされる煩悩を解き放ちます。
「三解脱門」から「大殿」までは、阿弥陀仏48願に合わせた約48間 (およそ90m弱) 。
参堂から「大殿」前の階段は、阿弥陀仏の本願18願と同じ18段。
最後に「大殿」とつながる階段は25菩薩を現した25段です。
ここまでの道のりを経て、極楽浄土があるとされている西方に建つ、大殿の阿弥陀仏のもとへ行けるといわれています。

「大殿」には、室町時代に造られたご本尊「阿弥陀如来像」が飾られており、その内部は極楽浄土を表しているという、荘厳な美しいつくりとなっています。
大殿 「光摂殿」「大殿」
阿弥陀仏が安置されている「大殿」内部 「光摂殿」「大殿」と荘厳な建築が並ぶ
※上記写真をクリックすると大きな写真が見れます。
◆日曜大殿説教と茶話会◆
大殿では、毎週日曜日の朝9時より「日曜大殿説教」が行われています。
15年以上続いているこの説教は、浄土宗の開祖、法然上人にまつわる話や、お念仏の話など、浄土宗への理解が深まるだけではなく、普段の生活の上でもためになる法話を聞くことができるのです。
誰でも自由に出入りして話を聞くことができる気軽さも魅力で、毎週50名位の方々が参加しています。
終了後は「茶話会」として、希望者と布教師が本堂で直接話すことができる場も設けられているので、ご夫婦で法話を聞いて、すがすがしい日曜の朝を迎えるのも良いかもしれません。
◆光摂殿〜安国殿〜西向観音〜徳川家霊廟◆
「大殿」に向かって左手にある「光摂殿」には、108畳敷の大広間があり、その天井には日本を代表する日本画家120名の手により、三年の歳月を費やして生まれた、四季折々の草花を描いた美しい天井画がはめ込まれています。

年に二回の一般特別公開日には、無料で壮麗な天井絵を堪能できますので、増上寺のHPなどにより日程を確認の上、足を運んでみてはいかがでしょう。
「黒本尊」が安置される、「安国殿」内部 西向観音 鋳抜門
「黒本尊」が安置される、「安国殿」内部 お地蔵様がずらりと並ぶ「西向観音」周辺 「葵門」と「龍」とが守る霊廟入り口「鋳抜門」(いぬきもん)
※上記写真をクリックすると大きな写真が見れます。
ここがポイント!
絵はがき

「光摂殿」の天井絵となった美しい日本画の数々は、増上寺の記念限定作品として生まれ変わりました。

日本画壇の巨匠、小倉遊亀画伯・上村松篁画伯・奥田元宋画伯らのリ トグラフがセットになった贅沢な「リトグラフ三枚セット」から、お好きな画伯の作品を選べる「絵はがき」まで、いずれも社務所で販売されています。

「大殿」向かって右には「秘仏黒本尊」が祀られた「安国殿」があります。
この黒本尊は、家康公が深く信仰し、そのご加護によって度重なる災難を避け、戦の勝利を得たと言われたことから、江戸時代以来、勝運・厄除けの神様として、人々の信仰を集めていたそうです。

「安国殿」の脇には、「西向観音」様の姿があります。子育てや安産に霊験あらたかとされ、子供が無事、健康に成長することを願い、たくさんのお地蔵様が奉納され、赤い帽子とよだれかけをつけた可愛らしい姿の前には、風を受けてくるくると回る、色とりどりの風車が備えられています。

「安国殿」の裏手には、美しい「鋳抜門」(いぬきもん)に守られた「徳川家霊廟」が残されています。
戦災で焼失した旧「徳川家霊廟」は、現在の「大殿」左右に立ち並び、当時の最高の技術が駆使された壮麗なものでした。
入口の「鋳抜門」(いぬきもん)は、六代将軍家宣公の宝塔前にあった「中門」を移してきたもので、左右の扉に5個ずつの葵紋を配し、両脇には青銅製の昇り龍・下り龍が鋳抜かれた、美しい文化財です。
こちらも霊廟の内部を見る事ができる特別公開日が設けられておりますので、日程をご確認の上、貴重な遺産をぜひご覧ください。
ここがポイント!
葵 安国殿周辺の随所には、徳川家の家系図や葵の紋のろうそく立てなどがあり、徳川家との縁の深さを感じさせます。
◆境内散策◆
敷地の中では比較的新しい「熊野神社」 境内には徳川家ゆかりの史跡以外にも、歴史にまつわるものが残されています。

「三解脱門」脇には、増上寺の鎮守として東北の鬼門に勧請した「熊野神社」があり、その近くには、享保元(1716)年、殉難者らの供養のために建てられた、江戸増上寺前の町火消しとして有名な「め組供養碑」が建てられています。
敷地の中では比較的新しい「熊野神社」
向かい合う「鐘楼堂」に収められている「大梵鐘」は、延宝元(1673)年、七回の鋳造を経て造られた東日本最大級の梵鐘と言われており、江戸時代の川柳にも、たびたびその鐘の音が詠まれています。「御殿山、芝の響きで花が散り」品川・御殿山の桜が芝増上寺の鐘の響きで散ってしまう、それほど大きな鐘の音だったということです。

参堂に向かう途中の「水盤舎」は三大将軍家光公の三男、綱重公の霊廟から移築されてきた、壮麗な「徳川霊廟建築」を今の世に伝える、貴重な遺産とされています。
江戸の町を大火から守った「め組供養碑」がここに 東日本最大級の大梵鐘が見られる「鐘楼堂」 「水盤舎」も今に残る貴重な歴史の遺産の一つ
江戸の町を大火から守った「め組供養碑」がここに 東日本最大級の大梵鐘が見られる「鐘楼堂」 「水盤舎」も今に残る貴重な歴史の遺産の一つ
※上記写真をクリックすると大きな写真が見れます。
information
増上寺
所在地 港区芝公園4‐7‐35
交通 都営三田線御成門駅より徒歩3分、
    都営浅草・大江戸線大門駅より徒歩5分
お問い合わせ 大本山増上寺 電話03‐3432‐1431
http://www.zojoji.or.jp
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