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港区の庭園 3/八芳園
木々が茂る、緑豊かな入り口 どこから見ても美しいことからその名がつけられた「八芳園」は、約5万平方メートルもの敷地を持つ、都心でも有数の美しい庭園です。古くは野生動物の生息地だったこの地に、江戸に入って初めて居を築いたのは、徳川三代将軍家光の旗本で「天下のご意見番」として広くその名を知られた、大久保彦左衛門でした。
大楼門様式の正門
元々構えていた神田駿河台の居を離れ、老後の住処として移り住んだそうです。彦左衛門が没し、数人の諸大名がここに移り住んだ後、明治に入って、日本の近代経済社会の礎を築いた実業家、渋沢栄一のいとこである渋沢喜作の住まいとなります。当時、庭は梅園になっていたそうですが、大正に入ってから、日立製作所などの基礎を築いた実業家、久原房之助が別荘として買い取り、敷地を1万2千坪に拡張すると同時に、贅をつくして庭園の整備を行いました。

戦後に入り、より多くの人々に利用してもらおうと誕生したのが現在の八芳園で、四季折々にその美しさを表す名園として今日に至っています。
※上記写真をクリックすると大きな写真が見れます。
ここがポイント!
目黒通りからすぐの所にある「正門」は、古典的な大楼門の様式で建てられています。
◆庭園入口〜十三層塔◆
八芳園本館入口向かって右手にある小さな「木戸門」が庭園の入口です。門を抜けると目の前に石造りの「十三層塔」が高々と建っています。これは二百余年前、元文年間に造られたもので、もともとは伊賀の上野にあったとされています。目の前には水をたたえた大きな池が広がり、池の周りをぐるりと巡るように遊歩道が敷かれる回遊式庭園となっています。
この「木戸門」から庭園に入りましょう 庭園入口にそびえる「十三層塔」
この「木戸門」から庭園に入りましょう 庭園入口にそびえる「十三層塔」
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◆壷中庵(こちゅうあん)〜霞峰庵(かほうあん)◆
池の周りを沿うように左に折れると、左手には広々とした芝生が広がり、遊歩道に沿うように立派な盆栽がずらりと並んでいます。その中には樹齢200年以上の逸品もあるそうです。 奥に見える大きな建物が「壷中庵」(こちゅうあん)です。1951年まで久原氏の屋敷として使われていた建物で、その名は作家の遠藤周作によって俗界を離れた別天地を意味して命名されたそうです。

庵の前には、かつて大久保彦左衛門が住んでいた時代に、家光より下賜された「山しゅゆの木」も見られます。遊歩道が右に折れるところには、小さな茶室「霞峰庵」(かほうあん)があります。これは旧久原邸から移築したもので、久原氏の雅号からその名がつきました。
壷中庵(こちゅうあん)の前には、立派な盆栽がずらりと並ぶ 盆栽の中には樹齢二百年以上のものもあるそう 木々に囲まれた静かな霞峰庵(かほうあん)
壷中庵(こちゅうあん)の前には、立派な盆栽がずらりと並ぶ 盆栽の中には樹齢二百年以上のものもあるそう 木々に囲まれた静かな霞峰庵(かほうあん)
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◆白鳳館〜水亭(すいちん)◆
「霧峰庵」(かほうあん)の下には、144畳もの大広間を持つ「白鳳館」が建っており、日本建築ならではの落ち着いた風情を見ることが出来ます。池のちょうど真中あたりにある「水亭」(すいちん)は、水の上に張り出すように造られた休憩用の四阿(あずまや)です。そこでは池の中をゆったりと泳ぐ錦鯉や、すいすいとつがいで浮かぶおしどりの様子を眺めることができますので、和の庭が持つ美観をのんびり味わうには最適です。秋口には池の上に燃えるような紅葉が移り、大変美しいのだそうです。
落ち着いた風情の大宴会場「白鳳館」 池の上に張り出した、美しい「水亭」(すいちん)
落ち着いた風情の大宴会場「白鳳館」 池の上に張り出した、美しい「水亭」(すいちん)
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ここがポイント!
三本の足でしっかりと水辺に建つ「雪見灯篭」 水亭から池を覗くと、たくさんの鯉が近くに寄ってきます。紅白や金色の輝く美しい錦鯉も混ざっています。
悠々と泳ぐ黄金の鯉
◆夢庵(むあん)〜彌陀六の燈篭(みだろくのとうろう)〜大護神社◆
茶室「夢庵」(むあん)は明治時代に、生糸の貿易で財を築いた田中平八が立てた茶室を移築してきたもので、予約をすると本格的な点茶が愉しめます。

「夢庵」(むあん)入口の右手には、八百余年前に建てられたという「彌陀六の燈篭」(みだろくのとうろう)があります。これは、源氏に滅ぼされた平宗貴が、剃髪後に石工となって平氏供養のために刻んだ燈篭だと言われ、一の谷をはじめ、屋島・壇ノ浦など平家敗戦の地に建立されたものですが、現在無傷で残っているのはここだけだ、とされています。

燈篭脇の入口を入っていくと、「大護神社」があります。神武天皇・明治天皇をはじめ、明治維新の志士を御祭神とする神社です。石造りの重々しさが、周囲の豊かな自然とあいまって、静かで神秘的な雰囲気をかもし出しています。
本格的なお茶のお手前が愉しめる「夢庵」(むあん) 「彌陀六の燈篭」(みだろくのとうろう)の苔むした様子に、長い歴史が 「大護神社」の石造りの鳥居が、緑の中になじむ
本格的なお茶のお手前が愉しめる「夢庵」(むあん) 「彌陀六の燈篭」(みだろくのとうろう)の苔むした様子に、長い歴史が 「大護神社」の石造りの鳥居が、緑の中になじむ
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◆滝〜本館◆
本館の左手には、心地よいせせらぎの音を響かせる滝があり、ここから流れる水が、池に続いています。 本館のエレベーターで上の階に昇ると、エレベーターホールから美しい庭の全貌を眺めることができます。都会の中に忽然と現れる、豊かな緑に包まれた日本庭園の姿は、まるでオアシスです。

もうじき、八芳園には梅の季節が到来します。春には桜、夏にはさつきやつつじ、秋には紅葉、そして静寂な趣をたたえる冬の風情へと、季節を問わず面々と連なる美観を愉しめる、歴史ある日本庭園です。
滝から聞こえるせせらぎの音が心地よい 本館からは、庭の全景を眺めることも
滝から聞こえるせせらぎの音が心地よい 本館からは、庭の全景を眺めることも
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information
入園料 無料
開園時間 10:00〜22:00
休館日 年中無休
所在地 港区白金台1‐1‐1
交通 東京メトロ南北線・都営三田線白金台駅2番出口より徒歩1分
お問い合わせ 八芳園 電話03‐3443‐3111
http://www.happo-en.com/
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