平安時代の中期、伊勢宮の分霊を祀ったのが起こりという「芝大神宮」。鎌倉時代には源頼朝公が信仰し、江戸時代は徳川幕府の手厚い保護を受け、江戸を中心に関東一円の庶民に「関東のお伊勢さま」と親しまれた神社です。
その人気は、浮世絵師広重の錦絵にも描かれたほどです。天照皇大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大御神(とようけおおみかみ)を主祭神に、源頼朝公と徳川家康公を相殿に祀るそのご利益は、病を癒すだけでなく良縁を呼ぶとも言われ、今もここで神前結婚式をあげるカップルも多いのです。かつてここは芝神明宮とも呼ばれ、江戸時代に芝の神明門前町といえばかなりの賑わいを見せた繁華街だったそうです。当時は相撲と芝居は寺社の境内で行うのが恒例だったようで、中でも芝居は1645年に芝神明境内で始まったのが最初とされています。
ちなみにこの新橋から浜松町にかけての地域を守っていた町火消が「め組」です。火事の多かった江戸の街を守ろうと、名奉行大岡越前守忠助(おおおかえちぜんのかみただすけ)が1718年に組織したそうですが、今も神社を守る狛犬が乗る台には「め組」の銘が入っています。もちろん芝居の演目で有名な「め組の喧嘩」もここが舞台です。 |