中小企業お役立ち大百科

廃業の仕方

 事業承継に際し後継者が見つからず、さりとてM&Aも不可能な場合は、廃業を選択するしかありません。最近の統計を見ていると、廃業を選択する経営者は確実に増えています。  最近の廃業の状況と、廃業する際の留意点は下記の通りです。
(2014年度版中小企業白書を参照)

1.最近の廃業の状況

(1)廃業の組織形態

 廃業の組織形態は、87.8%が個人事業者で、株式会社や有限会社の法人は10.5%、その他が1.7%となっており、個人事業者が圧倒的に多いのが実態です。 規模の小さい企業は、引き継ぐ人が少ないからと推察できます。

(2)廃業時の財務内容

 廃業時の資産と負債を見ると、資産超過41.1%、均衡36.0%、債務超過23.0%となっており、債務超過先が意外と少ないのが実態です。廃業するなら余力のあるうちに行い、老後の生活資金ぐらい確保したほうが良いという考え方が浸透しているからでしょう。

(3)廃業時の経営状況

 廃業時の経営状況をみると、経常黒字44.1%、経常赤字(1期)19.8%、経常赤字(2期)36.1%と、経常赤字先が過半となっています。経常赤字の連続が廃業を決断させたともいえますが、経常黒字の時に辞める勇気を持てば、老後資金はもっと多く残せたことでしょう。

2.廃業する際の留意点

(1)資産超過の場合

 資産超過で廃業する場合、経営者の老後資金も確保できるのであまり問題はありません。廃業関係の手続を漏れなくやることが大事です。また、従業員を雇っていた場合は、退職金の支払いや再就職先の紹介などにしっかり取り組むことが大事です。

(2)資産・負債均衡の場合

 資産・負債均衡で廃業する場合は、経営者の老後資金が十分確保できないなどの問題が残ります。この場合は、年金支給があるとはいえ十分ではないので、健康なうちは外部で働かざるを得なくなります。健康をできるだけ維持することが最大の課題となるでしょう。

(3)債務超過の場合

 債務超過で廃業する場合は、①借入金をどのように返済するのか、②経営者の老後資金をどのように確保するのか、③従業員がいた場合、退職金をどのようにして支払うかなど問題が山積します。さらに、経営者の自宅に抵当権が設定されている場合などは、廃業後に住む場所に事欠くことになります。 このような時は、「経営者保証ガイドライン」などの活用が鍵になりますので、公的支援機関に相談して弁護士などの専門家を紹介してもらい、アドバイスを受けながら進めるのが良いでしょう。

中小企業基盤整備機構
http://www.smrj.go.jp/sme/succession/index.html

東京都よろず支援拠点
https://www.tokyo-yorozu.com/

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