中小企業お役立ち大百科

ITによる原価管理・業務管理の見える化

1.ITによる原価管理

 原価管理とは、製品を製造するための原材料、人件費、諸経費などを金額で計算し、標準の製造原価あるいは仕入原価と実際原価の差異分析、問題点の分析から、改善策の実施等を行うことです。しかし、原価の正確な把握は大変な労力が必要になります。そのため、多くの中小企業では、単に支出金額から原価を算出していたり、会計を締めてから赤字に気づく場合もあります。一方で、価格競争も激化し、多品種少量生産の顧客ニーズのため、シビアな原価計算に基づく見積もりが求められてきています。その為、ITを活用し、正確な原価の把握、原価に関する問題点の分析、コスト削減策の検討を実現することが重要になってきます。

(1)原価計算

 標準原価計算、実際原価計算などで原価の見える化を図ります。工程別原価計算や部門別原価計算で、工程ごとの原価を見える化を図ります。

(2)原価差異分析

 品目別、工程別に歩留差異、固定費差異等の原価差異分析を行い、為替変動等の情報も考慮し経営情報へ役立てます。

(3)損益計算

 製品別損益計算、部門別損益計算等を計算し収益性の確認、早期の問題解決を図ります。販売直接費や販売管理費の配賦も考慮し、損益を分析します。

(4)シミュレーション

 ITを活用し、原材料費や仕入先について原価計算をシミュレーションし、事前に対策を検討することが可能になります。

(5)連携機能

 社内の在庫管理、会計処理システム等と原価管理を連携することで業務効率化が図れます。

2.ITによる業務管理

 ITを活用した業務改善は、即効性が高い策なので、まず最初に検討したいものですが、その効果的なITの活用方法は次のものがあります。

(1)グループウェア

 グループウェアをコミュニケーションツールとして活用することで業務効率改善が図れます。メール、スケジュール、チャット、掲示板、ファイル共有、タスク管理、会議室予約等の情報共有することで、業務効率の改善が期待できます。

(2)Web会議、テレビ会議

 Web会議、テレビ会議などを活用することで、会議に出席するための交通費、時間を削減でき、業務効率の改善が見込めます。ITの進化により、テレビ会議システムも低価格なものが増えています。また、スマホ、タブレット、カメラ/マイクが装備されているPCも多いので、費用をあまりかけずに実施することが可能になってきています。

(3)クラウドサービス

 最近は、財務会計システム、人事給与システム等各種の業務アプリケーションがクラウドサービスとして提供されています。このクラウドサービスはインターネット経由でいつでも、どこでも利用できるので、業務の効率化の一助となります。

(4)BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)

 既存業務を棚卸し、見える化を実施し、不要な業務、業務の重複、業務の偏り、業務の問題点・課題等を洗い出します。課題を明らかにするには、社内の担当者との比較、同業他社との比較、業界標準との比較等が有効です。その上で、業務改善策として、ITによるシステム化、業務プロセスの見直し等を行います。

(5)RPA(Robotic Process Automation)

 業務改善のためのシステム化として、最近、注目されているのはRPAです。従来、人がコンピューターに対して処理していたルーティンの業務内容をコンピューターへ記憶させ、業務そのものをコンピューターに代行させるものです。ソフトウェアロボットといわれることもあります。同じような処理を繰り返して行う業務を自動化することで、事務業務の効率化を図ります。

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