中小企業お役立ち大百科

販売チャンネル、顧客ターゲットとの契約条件の留意点

 前項は、輸出国及び販売チャンネル/顧客ターゲットの探索方法について説明しました。候補先が決まり、契約条件の交渉時に、留意しなければならないことは、国内取引との違いをシッカリと認識することです。
 あたり前の話ですが、交渉相手企業は、外国の企業なので、言語が異なり意思疎通面でのリスク/法制度や商習慣の違いによるリスク/政治経済などの変化に伴う不可抗力などのカントリーリスク/取引相手が見えづらいことによる取引先企業の信用リスク、取引通貨が外国通貨の場合には決済方法が複雑/為替変動のリスク、輸送距離が長いことによる商品の損害リスク/輸送コストが高く販売価格面での競争優位性に劣るなどの諸点を念頭に交渉に臨まなければなりません。
 紙数の制約ですべてのリスクを極小化する契約条件について説明することはできませんが、主要なポイントとして、貿易条件と決済条件について説明します。
 貿易条件とは、商品を、皆様方の手元から、輸出通関を行い、国際輸送で輸入国まで運び、輸入通関/輸入関税を支払い、輸入者の手元まで届ける一連の商品の流れの中で、皆様方輸出者が、どのポイントで輸入者に受け渡すか、言い換えると所有権とリスクが移転するかを決めることです。EXW/FCA/FOB(※)など、国際的に統一された用語が使われます。
 貿易条件が決まってはじめて輸出者が負担するコスト要素が確定するので、皆様方の希望するマージンなどを勘案した価格提案が可能となります。
 決済条件に関し、銀行の支払い保証を取り付ける信用状( L/C :Letter of Credit)決済もありますが、通常は、国内取引と同様に銀行振り込みでなされます。その際に、輸出者は商品発送後の不払いリスク回避のために前払いを、輸入者は代金支払い後商品が届かないリスク回避のために受領確認後の支払いを希望します。輸出者/輸入者間の力関係でどちらになるか、或いは、分割払いにするか合意しなければなりません。
 後払い或いは分割払いでなければ合意にいたらない場合、輸入者の信用状態などを調査できず、不払いのリスクを考え、取引を諦めてしまわれる方も多いようです。このような場合でも諦める必要はありません。日本貿易保険:http://nexi.go.jp/index.htmlの輸出代金保険を付保することで不払いのリスクを回避することができます。貿易保険のお話は、「輸出先の簡易信用調査方法と貿易保険の活用法」でもう少し詳しく説明いたします。

※EXW(EX WORKSの略:工場渡し)
 FCA(FREE CARRIERの略:運送人渡し)
 FOB(FREE ON BOARDの略:本船渡し)

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