中小企業お役立ち大百科

個人/法人 決算整理

1.複式簿記

 個人/法人の取引については、取引の二面性に着眼し、資産、負債、純資産、費用又は収益のいずれかに属する勘定科目を用いて借方と貸方に同じ金額を記入する複式簿記で記帳していきます。なお、企業会計原則は、一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則があり、一般原則には7つの原則(①真実性の原則、②正規の簿記の原則、③資本取引・損益取引区別の原則、④明瞭性の原則、⑤継続性の原則、⑥保守主義の原則、⑦単一性の原則)がありますので、この原則に沿って、日々の取引を記帳します。

2.試算表

 試算表は、元帳(総勘定元帳)の各科目の貸方、借方、合計を一覧表にまとめたものです。従って、試算表の貸方、借方、合計は必ず一致します。この試算表により正確性を検証します。
 元帳の各科目の貸方、借方、合計を記載したものが「合計試算表」、貸方、借方の差額だけを記載したものが「残高試算表」です。決算に必要な金額は、各科目の純額なので、決算時には通常「残高試算表」を用います。

残高試算表の例

科目 借方合計 貸方合計 借方残高 貸方残高
(資産科目) 16,000
(負債科目) 5,000
(資本科目) 1,000
(収益科目) 30,000
(費用科目) 20,000
合計 36,000 36,000

3.精算表

 試算表で正確性が検証されたら、次に、総勘定元帳の情報は精算表にまとめられます。決算整理をするための整理記入欄を追加したものが次の精算表です。
 売上原価の計算、貸倒引当金の設定、減価償却費の計算、損益の繰延べ・見越し等による影響を整理記入欄へ記入します。

科目 試算表 整理記入 損益計算書 貸借対照表
  借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方
(資産科目) 16,000           16,000  
(負債科目)   5,000           5,000
(資本科目)   1,000           1,000
(収益科目)   30,000       30,000    
(費用科目) 20,000       20,000      
当期純利益         10,000     10,000
合計 36,000 36,000     30,000 30,000 16,000 16,000

4.決算整理事項

 決算では、個人/法人ともに、会計年度(個人の場合は暦年)の期間の損益を計算・確定し、期間終了時点の資産・負債(財務)状況を明らかにします。
 まず、年度内の記帳の正確性、記帳漏れを精査して年度内の(簿記上の)取引を確定します。仮払金・仮受金などは、期末現在で確定していれば本来の科目で記帳します。
 次に、期間損益を導き出すための決算の修正(決算整理)をします。

  • ①売上原価
     期間の売上収益に対応する売上原価は「期首棚卸額+期中仕入額-期末棚卸額」なので、棚卸を実施し、売上原価を確定し、精算表へ反映します。
  • ②収益のうち期間(当期)に対応しない部分
     該当する分は、当期の収益からは除き、前受金等とします。
  • ③経費のうち期間(当期)に対応しない部分
     該当する分は、当期の費用からは除き、前払費用、未払費用等にします。
  • ④貸倒引当金
     取引先の事情等によって回収不能になるかもしれない売掛金を予測して引き当てます(当期の取引なので、当期の費用にします)。
  • ⑤減価償却費  減価償却資産は、通常の償却を選択するか一括償却にするか検討し、減価償却額等を計算します。
  • ⑥有価証券の評価
     投資目的で所有している有価証券は、帳簿価格と時価との差額を処理します。

以上の処理が終了しましたら今期の損益を確定して、損益計算書・貸借対照表等の決算書類を作成します。

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