法人である会社を設立すると、法律で定められた様々な手続きを行わなくてはなりません。行政書士や税理士、そして社会保険労務士といった専門家に任せてやってもらうこともできますが、どういった手続きが必要なのか基本的な事項を知っておくことも大切です。
創業時に必要な手続きは、会社設立前、会社設立時、会社設立後の3段階に整理することができます。
会社設立前の手続きは、事務所・店舗を確保することです。自宅を事務所として本店登記する場合には、管理組合の規定で本店登記が禁止されていないかを確認することが重要です。
個人事業の場合はこの段階では手続きはありませんが、法人を設立する場合はかなりの手間と時間がかかります。勿論全て自分で行うこともできますが、創業者の多くは、行政書士や税理士に委託することが多いようです。
許認可業種の場合、会社を設立したり個人事業の開業届を出しただけでは事業を行うことはできません。飲食店や美容業などは保健所の営業許可を受けなければなりませんし、税理士や社会保険労務士はそれぞれの会に開業登録しなければなりません。
次に、事業を始めたら必ず行わなければならないのが税務申告です。個人事業であれば2月16日から3月15日の間に、法人であれば決算日から2か月以内に税務申告を行い納税しなければなりません。その前に、会社を設立したことを届け出ておくことが必要です。
最後に、必要なのが社会保険・労働保険関係の手続きです。社会保険については、法人は必ず加入しなければなりません。社長一人でも加入義務がありますので注意してください。労働保険は労働者を一人でも雇うと手続きの必要が出てきます。
創業時に必要な法的手続きを、大まかな時間軸に沿って整理しておきました。それぞれの手続きにはこまごまとしたルールや条件が伴いますので、実際に手続きを行うときは所管の役所に相談するか、専門家に委託することをお勧めします。
進捗段階 | 手続きの種類 | 提出書類等 | 関係する役職等 | 委託するなら | |
---|---|---|---|---|---|
会社設立前 | 事務所・店舗の確保 | 自宅の場合 | 管理組合の規約確認 | ||
賃貸物件の場合 | 賃貸借契約 | ||||
会社設立 | 会社設立手続き | 定款認証 | 公証役場 | 行政書士、税理士 | |
出資の履行 | 銀行等 | ||||
登記申請 | 法務局 | ||||
会社設立後 | 認証許可手続き | 認証可業種のみ | 飲食店・美容室の保健所の許可等 | 所管の役職等 | 行政書士 |
税務関係の手続き | 法人設立届 | 税務署 | 税理士 | ||
給与支払い事務所棟の解説届出書 | |||||
青色申告の承認申請書 | |||||
法人設立届出書 | 都税事務所 | 税理士 | |||
労務関係の手続き | 社会保険 (適用事業所になった場合) |
健康保険、厚生年金新規適用届 | 年金事務所 | 社会保険労務士 | |
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等 | |||||
健康保険被扶養者(異動)届 | |||||
国民年金第3号被保険者資格取得届 | |||||
労働保険 (労働者を雇った場合) |
労働保険関係成立届 | 労働基準監督署 | |||
労働保険料概算保険課申告書 | |||||
雇用保険適用事業所設置届 | ハローワーク | ||||
雇用保険被保険者資格取得届 |
進捗段階 | 手続きの種類 | 提出書類等 | 関係する役職等 | 委託するなら | |
---|---|---|---|---|---|
会社設立前 | 事務所・店舗の確保 | 自宅 | 管理組合の規約確認 | ||
賃貸物件 | 賃貸借契約 | ||||
会社設立 | 貸家設立手続き | 特になし | |||
会社設立後 | 許認可手続き | 許認可業種のみ | 飲食店・美容室の保健所の許可等 | 所管の役所等 | 行政書士 |
税務関係手続き | 開業届 | 税務署 | 税理士 | ||
青色申告の承認申請書 | |||||
労務関係手続き | 社会保険 (適用事業所になった場合) |
健康保険、厚生年金新規適用届 | 年金事務所 | 社会保険労務士 | |
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等 | |||||
健康保険被扶養者(異動)届 | |||||
国民年金第3号被保険者資格取得届 | |||||
労働保険 (労働者を雇った場合) |
労働保険関係成立届 | 労働基準監督署 | |||
労働保険料概算保険課申告書 | |||||
雇用保険適用事業所設置届 | ハローワーク | ||||
雇用保険被保険者資格取得届 |