中小企業お役立ち大百科

創業時の資金調達

 創業に必要な金額は事業によって全く異なります。中小企業診断士の資格を活かして自宅で経営コンサルタントとして事業を始めるのであれば、創業資金はほとんど不要です。しかし、飲食店を始めるとなると不動産物件を借りて、内装工事を行い、食器類を揃え、食材を仕入れ、従業員の手配をして、初めて開店を迎えられるわけです。数百万から数千万円、中には億単位のお金をかける場合もあります。

 ではそのような創業資金をどうやって準備するのでしょう。まず基本は預金です。創業のために経験を積んでいる間に、並行してしっかりと創業資金を蓄えておくことが大切です。少なくとも、創業に係る経費の半分以上は自己資金で賄うことをお勧めします。

 創業資金のすべてを自分で用意できない場合、どこから調達するのか。いろいろ考えられるのですが、一般的な選択肢はそんなに多くはありません。考えられるものを挙げてみると以下のようになります。

 最近、クラウドファンディングの事例も見かけられるようになりましたが、まだまだ一般的な方法とは言えないでしょう。またエンジェルや得意先からの融資・投資を獲得している創業者もいますが、ごくまれな例と言えます。やはり多いのは上記1〜5までの方法です。1,2は金利を負担していない場合が多く、負担の少ない方法と言えますが、個人間の信頼関係が前提となり、その後の人間関係に注意しなければならないことが負担と言えるでしょう。

 3,4,5は銀行から借り入れる方法で、一般的な方法と言えます。ただ、民間銀行が創業者に直接貸し付けを行うことはまずありません。その多くが、制度融資と言われるものです。港区と東京都の制度融資は東京信用保証協会の保証を受けて、民間銀行から融資を受けるという意味で同じ制度と言えます。両者の違いは、港区では利子補給を行っており、東京都の制度を利用するより安い金利で借り入れができる点です。港区の制度を利用する場合には、港区の産業振興課に申し込み、東京都の制度を利用するときは都庁に行く必要はなく直接銀行に申し込みます。この制度融資には金利が低いというメリットがありますが、東京信用保証協会の保証を受けるにあたっては、借入金額の3%〜4%程度の保証料を支払う必要があることも認識しておかなければなりません。

 次に、日本政策金融公庫からの借り入れです。日本政策金融公庫は日本の政府金融機関です。日本政策金融公庫の融資の特徴は、東京信用保証協会を利用する制度よりも審査のスピードが速いことです。また、東京信用保証協会は許認可業種の許可(飲食業や美容業などの保健所の許可など)を取得するまでは融資が実行されませんが、日本政策金融公庫は許認可前に実行されることもあります。

 最後に港区の創業支援融資についてご説明します。
港区では、創業前から創業(港区では初売上げが計上された日を創業日と見做しています。)後1年以内の事業者を対象とする「創業支援融資あっせん制度」を用意しています。融資あっせんとは、実際に融資を行う銀行と融資を希望する事業者を取り持つことを言います。港区が行うのはあっせんだけであり、融資を実行するかどうかはあくまでも銀行の判断です。港区のあっせんを受けて融資実行されると港区から利子補給が行われ、実質年利0.4%という低利で借りることができるのが1番のメリットです。創業支援融資あっせんの上限は1,500万円ですが、事業の状況によってあっせん金額は決定されます。

 融資あっせんを受けるためには、港区産業振興課に平均で4回程度通い、港区の非常勤職員である相談員の指導のもと、港区指定の創業計画書を作成していただきます。あっせん書が交付されるまでに、通常1か月から1か月半程度かかります。創業計画書が完成し、その他必要な添付書類が整うと「融資あっせん書」が交付され、それを銀行に持参して融資を申し込みます。融資実行までには、融資申し込みから平均で60日程度かかっており、港区の窓口に最初に訪れてから融資実行までには、4か月から5か月程度はかかることを認識しておいてください。

 融資斡旋申し込みには様々な条件がありますので、詳しくは港区産業振興課窓口にご相談ください。

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